Resounding Twilight Parade/Story/Chapter 5

From Sekaipedia
咲希
はあ……。思った以上に怖かった~
穂波
咲希ちゃん、大丈夫?
咲希
うん、おばけ屋敷ってあんまり入ったことなかったから
ちょっとびっくりしちゃった
咲希
おでこにピタ……って当たったのが、
まさかコンニャクだったなんて……
志歩
あれは逆におもしろかった
うん。古典的だけど、シンプルに驚くいい演出だったね。
見習いたい要素がたくさんあったよ
そうか! あれくらいの演出なら、いくらでも応えられるぞ!
そうかい?
じゃあ熱々コンニャクを用意しておくよ
なぜ熱々に!?
咲希
あははっ♪ お兄ちゃん楽しそう!
一歌
うん、友達もおもしろい人達だし
一歌
……あれ?
あのジェットコースター、昔からあったっけ?
穂波
ううん、昔はなかったと思う。
新しくできたのかな
志歩
なんだか雰囲気違うよね。
あそこだけ近未来感あるっていうか
一歌
昔より絶叫系が増えた感じするよね。
怖そうだな……
咲希
もしかしたら、新しいエリアができたのかな?
えむ
…………
寧々
えむ……?
咲希
こういう時は、えむちゃんに聞いてみよう!
咲希
ねえ、えむちゃん!
あそこのジェットコースターって——
えむ
あ、えっと……! ジェットコースターなら、向こうにある
『ゴーゴー!フェニーくん』がオススメだよっ☆
みんなでしゅっぱーつ!
咲希
ふえっ? しゅ、しゅっぱーつ?
穂波
…………
志歩
…………
落ちる寸前まで焦らして期待感を煽る。
そして——
寧々
……っ!!!
落ちる時には猛スピードで疾走しながら
フェニックスワンダーランドの全景が
一望できる……!
これぞ緊張からの解放。
爽快感があって素晴らしい演出だね
穂波・一歌
『きゃあああああっ!!!』
回せ回せ回せ回せ!
うおおおおおおおっ!!!!
えむ
わー!! 司くんすごーい!
世界がぐるぐる回ってるよ~♪
一歌
ちょ、ちょっと司さん!
いくらなんでも回しすぎじゃ……!
いいや、まだまだいくぞ!!
オレはこの程度で満足するような男ではない!!!
穂波
なんだか、あっちはすごいですね……
司くんが張り切っているみたいだね
志歩
まあ、こっちは張り合わなくていいんじゃない?
咲希
あははっ♪
一歌
みんな、そろそろ頂上だよ
咲希
わあ……。
空から見るフェニランって
なんだかいつもと違う感じに見えるね!
志歩
ジェットコースターも、さっきより遅く見える
咲希
あれくらいなら、何度でも乗れそう♪
穂波
わ、わたしはもういいかな……
ふう……、だいぶ遊んだな。
どこかで休むか
えむ
じゃあフェニペンまんじゅう買って、みんなで食べようよ!
ドリンクセットもあるし☆
そうだな。咲希達の分も買ってくるから、
少し待っていてくれ!
穂波
す、すみません……!
お気づかいありがとうございます
咲希
ありがとう、お兄ちゃん!
いってらっしゃーい
一歌
もうこんな時間なんだ……
一歌
こうやって時間を忘れてフェニランで遊ぶの、
小学生以来な気がする
咲希
うんうん! いつもならまだ練習してる時間だから、
ちょっと不思議な気分だね!
一歌
そうだね。
なんだか私、ギター弾きたくなってきちゃった
穂波
うん、わたしもドラム叩きたくなって
さっきからリズムとっちゃってるよ
咲希
ほなちゃんも?
穂波
うん。まだ下手だし、志歩ちゃんに
教えてもらってばかりだけど……。
みんなでバンドやるの、好きだなって
志歩
……そっか
穂波
そういえば志歩ちゃんて、
いつからベース弾いてたんだっけ
穂波
小学生の頃だっていうのは覚えてるんだけど……
咲希
あ! アタシも気になってた!
気づいたらいつの間にか始めてたよね~!
志歩
そうだっけ
一歌
うん、私も知りたい
志歩
……別に、そんなにおもしろい話じゃないけど
志歩
私の父さんって、ミュージシャンでしょ?
咲希
うん! ギタリストさんだよね!
志歩
だから、昔からよくライブとかに
連れていってもらってたの
志歩
それで、父さんに連れていってもらったライブで見た
ガールズバンドの演奏がかっこよくて……
咲希
へえ、そうなんだ! アタシも聴いてみたいなぁ
志歩
多分、探せば聴けると思うよ。
この前プロデビューしてたから
志歩
もし興味があるなら、CD貸してもいいし
咲希
わ、ほんと!? ありがとうしほちゃん!
楽しみだな~♪
穂波
あ、その次わたしもいいかな?
志歩
いいよ。そのバンド、プロになってからも
ますますうまくなってるから演奏の参考になると思う
一歌
志歩がそれだけ褒めるってことは、
本当にすごい人達なんだね
志歩
うん、尊敬してる
志歩
あの人達の演奏を聴くと——心が、ぐっと揺さぶられるんだ
志歩
叫びたくなったり、泣きたくなったり……、
いてもたってもいられないくらい、どうしようもなく
一歌
へえ……
志歩
私も、あの人達みたいに
誰かの心を動かせる演奏をしたい
志歩
だから、もっとうまくなって……
プロになって、いろいろな人に
聴いてもらいたいって思ってる
志歩
私の演奏で誰かの心を揺さぶれたら……って
穂波
そうだったんだ……
咲希
プロになる、かぁ。
すごいなぁ、アタシには想像できないかも
穂波
きっと、今以上にハードな練習をしなくちゃいけないね
咲希
わあ、大変そうだなぁ~
志歩
(みんなは、やっぱりこれ以上先を目指すことは
考えてないんだろうな……)
志歩
…………
一歌
プロ、か……。
どんな世界なのか、想像もできないけど……
一歌
でも、志歩が言うように、いろいろな人に歌を聴いてもらえたら
きっと楽しいだろうな
一歌
(でもそのためには私が、もっとうまくならないと……)
寧々
…………?
……なんだか、向こうの空気がしんみりしだしたな
寧々
うん、どうしたんだろ。
あんまり聞こえないけど、真面目な話をしてるみたい
バンド仲間と言っていたし、同じものに打ちこむ者同士
いろいろと考えることがあるのかもしれないね
えむ
——あ! みんな、もうすぐショーの時間だよ!
ハッ! もうそんな時間か!
ああ、たしかに。
そろそろ準備をする必要があるね
咲希、オレ達はワンダーステージへ行って
ショーの準備をしてくる!
お前達は、あとから来てくれ!
咲希
うん、わかった!
がんばってね、お兄ちゃん!
咲希
ワンダーランズ×ショウタイムのみんなも!
ああ、ありがとう
えむ
あたし達のショー、楽しみにしててね!
みんなのこと、ぜーったい笑顔にするから☆

Back to the top

Cookies help us deliver our services. By using our services, you agree to our use of cookies.