Chapter 18: Distinction
けじめ (? (edit))
けじめ (? (edit))
Translator(s):
Mei
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冬弥の父
冬弥、どこへ行っていた
幼い冬弥
え? 友達と遊んでて……
冬弥の父
無駄なことに時間を使うんじゃない。 さあ、すぐにレッスンだ。今日も遅くなるぞ
幼い冬弥
はい……
冬弥の父
違う。もう一度
幼い冬弥
ごめんなさい……
冬弥の父
もう一度だ
幼い冬弥
でも、もう指が……
冬弥の父
ダメだ。もう一度。できるまでだ
幼い冬弥
……はい
幼い冬弥
お母さん……
幼い冬弥
なんで僕は友達と遊んじゃいけないの? お休みの日もずっとピアノとバイオリンばっかりで……
冬弥の母
あら、それは素晴らしいことなのよ、冬弥さん。 一流の音楽家であるお父様に毎日レッスンしてもらえるんだから
冬弥の母
お兄さん達もお父様から習って、 コンクールでも立派な成績を残しているわ
冬弥の母
お父様はね、あなたのために 海外からのオファーも断っているのよ。 だからその分、しっかり教えていただきなさい
幼い冬弥
………………
Toya
……俺は…… いつの間にか音楽そのものが、嫌いになっていました
こはね・杏
『………………』
Toya
父に反発するように、ピアノもバイオリンもやめて……
Toya
本当に、反発できればなんでもよかったんです
Toya
この場所でクラシックではない音楽をやり始めたのも、 父が最も嫌がりそうだったから、なんていう幼稚な理由でした
Toya
でも、彰人は、こんな俺に……
Akito
おもしろいな、お前。 なあ、ちょっとオレと歌ってみねえ?
Akito
この人が謙さんだ。 あの『RAD WEEKEND』をやったひとりだぞ!
Akito
オレ達も、あれくらいすげえ、最高のイベントをやるぞ! 冬弥!
Toya
こんな俺に……この場所と、音楽を楽しむことと、 そして……大事な夢を……教えてくれた
Toya
彰人は、俺の初めての仲間です
Toya
……だけど彰人の夢は…… 本当に真っ直ぐで……
Toya
俺と一緒だと、彰人は彰人の夢を叶えられない
Toya
俺は彰人の隣にいるのに、 彰人と同じものを見れていない
Kohane
…………
Toya
なのにずっと一緒にいたのは ……ただ俺が、甘えていたからです
Toya
本当は、誰よりも俺が中途半端だったのに
杏の父
…………
Toya
ずっと考えていました。 俺のような中途半端な人間が傍にいたら、あいつの足を引っ張る
Toya
本当は……白石や小豆沢のような、 本気で『RAD WEEKEND』を超える夢を追いかけられる 仲間が彰人には必要だ
An
え……? 私達?
Toya
……お前達は、彰人と同じだ。 自分の決めた道を……心から信じて進める
Toya
イベントで歌っている姿を見てそれがわかった。 ……そして、俺には、そんな覚悟がないことも
Toya
だから……俺は、彰人に甘えるのはもうやめます。 ようやく決心がつきました
杏の父
………………
Toya
……お世話になりました
杏の父
冬弥。最後にひとつ、いいか
Toya
……はい
杏の父
そこに納得できてない奴が来ているみたいだ。 話してやってくれないか
Toya
え……?
Akito
ハァ、ハァ、ハァ……
Toya
彰人……!?
杏の父
さて、年寄りは退散するかな。 杏、店は任せたぞ
An
え? 父さん?
Akito
…………
Toya
…………