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< OVER RAD SQUAD!! | Story
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Revision as of 22:31, 13 July 2024
Day of the event
Musicians
——Whoa...! What's with this massive crowd...?!
——うお……!
なんだよこの人だかり……!
なんだよこの人だかり……!
Musicians
The tickets sold out in a day, so people are hangin' around the venue hoping to get in, even though they said they don't have any doorsale tickets left.
チケットが即日完売して、当日券ももうねえって言われてんのに
まだ入れねえか粘ってるやつらがいるみたいだな
まだ入れねえか粘ってるやつらがいるみたいだな
Musicians
Well, it's not like I don't understand. If I hadn't gotten my tickets already, I would've tried to at least hear the music.
まあ、気持ちはわかるけどな。
俺だってもしチケット取れてなかったら、
せめて音だけでもって思いそうだ
俺だってもしチケット取れてなかったら、
せめて音だけでもって思いそうだ
Musicians
You've got a point... The audience is already lined up as far out as the storefronts near COL.
たしかにな……。
COL前の店まで、もう客で埋まってるもんな
COL前の店まで、もう客で埋まってるもんな
Musicians
...I wonder what kind of event it's gonna be...
……一体、どんなイベントになるんだろうな……
Ken
(——The number of audience members gathering, the excitement in the crowd, it's just as I...no, it's better than I imagined.)
(——客の入りも、盛り上がりっぷりも、
想像どおり……いや、想像以上だな)
想像どおり……いや、想像以上だな)
Ken
...Yo. Seems like you made it after all.
……よう。どうやら間に合ったみたいだな
Taiga
I had to cancel some of my gigs thanks to you. If you're gonna invite me, put it in my schedule a year in advance.
おかげでいくつか仕事が吹っ飛んだぞ。
招待するなら1年前からスケジュール押さえとけ
招待するなら1年前からスケジュール押さえとけ
Ken
The life of a hit artist is rough, huh.
相変わらず、人気アーティストはお忙しいな
Taiga
I'm getting requests from all over the place, you know. My teammates overseas were saying I'd lost it.
あっちこっちから声がかかってるんでな。
向こうの仲間にもどうかしてるって言われたぞ
向こうの仲間にもどうかしてるって言われたぞ
Taiga
Kept asking me if I was going insane, prioritizing some event with a weirdass name like RAD BLAST over our work.
『RAD BLAST』なんて
捻りのねえ名前のイベントを優先するなんて、
イカれてんのかってな
捻りのねえ名前のイベントを優先するなんて、
イカれてんのかってな
Ken
It's a good name, isn't it? They named it themselves.
いい名前だろ?
あいつらがつけた
あいつらがつけた
Ken
Said they were gonna blast away the legend of this town, and go to the world beyond.
この街の伝説をぶっとばして、
その先の世界に行くんだとよ
その先の世界に行くんだとよ
Taiga
...I see.
……なるほどな
Taiga
——They've got guts. I'd like to see 'em try.
——いい度胸だ。
やれるもんなら、やってみろ
やれるもんなら、やってみろ
Ken
It'll happen. If it's them, they'll see it through.
ああ。
やれるさ、あいつらなら
やれるさ、あいつらなら
Taiga
But, should you really be out here?
しかし、お前はここでいいのか?
Ken
Hm?
ん?
Taiga
You're the one who led them all the way here, aren't you? I figured you'd be backstage like a coach should, giving them one last pep talk.
お前があいつらを、ここまで連れてきたんだろ?
なら最後は、コーチよろしく、
バックステージで檄でも飛ばすんじゃねえかと思ってな
なら最後は、コーチよろしく、
バックステージで檄でも飛ばすんじゃねえかと思ってな
Ken
This isn't my event. It's theirs——an event for the "next world".
これは、オレのイベントじゃねえからな。
あいつらの——『次の世代』のイベントだ
あいつらの——『次の世代』のイベントだ
Ken
Which means old farts like me shouldn't meddle.
なら、ロートルはおとなしく引っ込んでねえとな
Ken
(...Well.)
(……ま)
Ken
(There is one last thing I need to tell them.)
(まだひとつ、
伝えなきゃならねえことはあるけどな)
伝えなきゃならねえことはあるけどな)
Ken
Anyway...even if I said something, it seems like your little pep talk influenced them more than anything I could do.
あとは……オレが何か言わなくても、
あいつらには、お前の檄が一番効いてるみたいだったからな
あいつらには、お前の檄が一番効いてるみたいだったからな
Ken
That day——the defeat they suffered.
あの日の——敗北がよ
Taiga
...That wasn't supposed to be a pep talk. All I did was hammer down a stubborn nail that was sticking out.
…………檄なんて飛ばしたつもりはねえよ。
あれは出る杭を叩いただけだ
あれは出る杭を叩いただけだ
Taiga
But...now that I've come all this way, they'll have to show me themselves.
だが……ここまで来たからには、見せてもらおうじゃねえか
Taiga
Their resolve.
あいつらの——覚悟を
COL
Backstage
Backstage
Kohane
(...Incredible.)
(……すごい)
Kohane
(It's a totally different atmosphere from all our other events——even though it hasn't even begun yet.)
(今までのイベントとは——始まる前から空気が違う)
Kohane
("I want to see them surpass RAD WEEKEND", "I want them to grant Nagi-san's wish"——)
(『RAD WEEKENDを超える瞬間が見たい』
『凪さんの願いを叶えてほしい』——)
『凪さんの願いを叶えてほしい』——)
Kohane
(So many strong feelings have turned into hear...and I can feel them all from up here.)
(いろんな強い想いが、熱になって……
ここにまで伝わってくる)
ここにまで伝わってくる)
An
(...It's such a strange feeling.)
(……不思議な気分だな)
An
(That scene I looked up to all those years ago, this time, it's my turn to see it from Nagi-san's perspective.)
(あの日見上げてた景色を、
今度は、凪さんと同じ目線で見てる)
今度は、凪さんと同じ目線で見てる)
An
(Finally——I've finally made it here.)
(やっと——ここまできたんだ)
Toya
(...Even when facing the biggest of my piano competitions, I've never felt this nervous.)
(……今まで出た、一番大きなコンクールでも、
ここまで緊張はしなかった)
ここまで緊張はしなかった)
Toya
(...We only have one chance.)
(……チャンスは一度)
Toya
(We have to do it——to surpass it.)
(必ず——超える)
Akito
...
…………
Akito
Oi, guys. Let's huddle up.
おい、お前ら。円陣組まねえか
Kotaro
Eh? Huddle?
え? 円陣?
Akito
Yeah. It gets you pumped up before going out on stage.
ああ。本番前にやると気合い入るからな
An
——That's right. Let's get fired up together, one last time!
——たしかにね。
それじゃ最後に一発、みんなで気合い入れよっか!
それじゃ最後に一発、みんなで気合い入れよっか!
Kohane
Ah...yeah!
あ……うん!
Akito
...Alright. Everyone's hands are in the middle.
……よし。全員手は出したな
Akito
Then——I'll start.
じゃ——オレからいくぞ
Kohane
...? Start, what...
……?
いくぞって、何を……
いくぞって、何を……
Akito
I——I've bet everything on this day!
オレは——この日に賭けてきた!
Akito
I couldn't forgive myself for never taking anything seriously, for being so half-assed about everything.
オレは何にも本気になれてねえ、
半端な自分が許せなかった
半端な自分が許せなかった
Akito
And the thing that finally made me feel like it was worth dedicating my life to something——was RAD WEEKEND.
そんなオレに、人生賭ける価値があるって思わせてくれたのが
——RAD WEEKENDだ
——RAD WEEKENDだ
Akito
When I surpass RAD WEEKEND, I'll be able to feel pride.
RAD WEEKENDを超えた時、オレは誇れる
Akito
In myself——in everything I've done up 'til now.
オレ自身を——オレのこれまでの全てを
Akito
So, no matter what——I'll surpass it!!
だからなんとしても……超える!!
Kohane
(……東雲くん……)
Toya
——俺は、知りたい
Kohane
……!
Toya
俺はこの街に来て、
相棒と、仲間と、新しい音楽に出会った
相棒と、仲間と、新しい音楽に出会った
Toya
その日々の中で、俺は、自分を認めることができた。
過去も今も、全てを受け止めることができた
過去も今も、全てを受け止めることができた
Toya
……どんな壁にぶつかっても、みんなのおかげで、
足を止めずにここまでやってくることができた
足を止めずにここまでやってくることができた
Toya
そして——ついに、ここまで来た
Toya
俺が作った曲がどんな風に街を動かすのか、
そして俺自身がどこまでいけるのか……見てみたい
そして俺自身がどこまでいけるのか……見てみたい
Toya
そのためにも、今日、全力を尽くす
Kohane
(青柳くん……)
Kotaro
……っ、オレは!!
もう情けねえ自分でいたくねえ!!
もう情けねえ自分でいたくねえ!!
Kotaro
本当はやりてえことを、できるわけねえ、ってヘラヘラ笑う——
そんな自分でいたくねえ!!
そんな自分でいたくねえ!!
Kotaro
これを——一番すげえって思うモンを超えてオレは、
自分を認められるようになるんだ!!
自分を認められるようになるんだ!!
Kohane
(三田さんも——)
Kohane
(…………そっか)
Tatsuya
俺は——今度こそ、俺自身を信じるために歌う
Tatsuya
誰かに馬鹿にされても、夢を追う。
……そういう生き方に憧れてたくせに
俺は、どっかで外野の言葉に流されそうになってた
……そういう生き方に憧れてたくせに
俺は、どっかで外野の言葉に流されそうになってた
Tatsuya
叶うわけねえ、勝てるはずねえ、超えられるわけねえ——
そんな言葉に、俺は抗う。
RAD WEEKENDを超えて——俺自身を信じ切ってみせる!
そんな言葉に、俺は抗う。
RAD WEEKENDを超えて——俺自身を信じ切ってみせる!
EVERのメンバーA
オレは——!
Kohane
(これが——)
Kohane
(これがみんなの、エゴなんだ)
Kohane
(誰にも譲れない、何があってもやりとげたい——想い)
Kohane
(……わかってきた)
Kohane
(あの時、まだうまく言葉にできなかった、
私の想い——)
私の想い——)
Kohane
(私の、エゴが)
An
私は——
An
ずっと憧れてた。RAD WEEKENDに。
——凪さんに
——凪さんに
An
いつかあの場所に追いついて、
一緒に走ってみせるって、いつか追い越してやるって、
ずっとそう思ってた
一緒に走ってみせるって、いつか追い越してやるって、
ずっとそう思ってた
An
…………凪さんと一緒に走ることは、もうできない
An
だけど——
An
凪さんが残した夢を、受け継ぐことはできる
An
凪さんが行けなかった——見れなかった世界に行くこともできる
An
この、RAD WEEKENDを超えたら——きっと
An
だから超える! 絶対に!
Kohane
私は——!
Kohane
行きたい!
Kohane
RAD WEEKENDを超えて、その先にある場所に——!
Kohane
そこにはきっと、初めて杏ちゃんの歌に出会った時みたいな、
新しいドキドキが——ううん
新しいドキドキが——ううん
Kohane
もっとドキドキするものがあるって思うから!
Kohane
そこに私は、行きたい!!
——誰に止められても、絶対に行く!!
——誰に止められても、絶対に行く!!
Kohane
みんなと、一緒に!!
An
——今日を、今までの人生で最高の夜にしよう!
An
今まで誰も見たことないくらい、最高の時間に!
An
さあみんな、RAD WEEKENDを超えて――
新しい伝説を始めるよ!
新しい伝説を始めるよ!
全員
『うん!!』
『おう!!』
『ああ!!』
『おう!!』
『ああ!!』
Ken
——いい気合い入れだな
An
……! 父さん!
客席のほうに行ったんじゃ……
客席のほうに行ったんじゃ……
Ken
最後に、嬢ちゃんに伝えなきゃならないことがある
Kohane
……!
もしかして——
もしかして——
Ken
ああ。ふたつ目の課題のことだ
Ken
——嬢ちゃん。
前から言っておいたとおり、『あれ』を出すのは、最後の曲だ
前から言っておいたとおり、『あれ』を出すのは、最後の曲だ
Ken
そしてその時、嬢ちゃんは——
Ken
——————
Ken
——それだけだ。
ただ、それだけでいい
ただ、それだけでいい
Ken
いけるな?
Kohane
——はいっ!!
Akito
……待ちきれねえみたいだな。
もう客がわいてやがる
もう客がわいてやがる
Tatsuya
この熱気に飲まれねえようにしねえとな。
——ま、そんな気はしねえけどよ
——ま、そんな気はしねえけどよ
Kotaro
ああ!
オレ達で、もっともっと沸かしてやろうぜ!
オレ達で、もっともっと沸かしてやろうぜ!
Toya
では——トップバッターは任せたぞ、
小豆沢、白石
小豆沢、白石
Toya
盛大にかましてくれ
An
もちろん!
じゃ——行くよ、こはね!
じゃ——行くよ、こはね!
Kohane
うん!
Kohane
(——トップバッターは、
イベントそのものに火をつける役。
だから……失敗は許されない)
イベントそのものに火をつける役。
だから……失敗は許されない)
Kohane
(……さっきまで、考えるだけで頭が真っ白になりそうだった。
だけど——)
だけど——)
Kohane
(もう、大丈夫)
Kohane
(みんなが、私の想いに気づかせてくれたから)
Kohane
(それに——)
An
——いこう、こはね
Kohane
——うん!
Kohane
(隣に——杏ちゃんがいる!)
Kohane & An
『♪——————————————————!!』
Taiga
…………
Kohane
(——すごい熱気……!)
Kohane
(もう、イベントのラストみたいな空気になってる。
熱でお客さんがぼやけて見えて——)
熱でお客さんがぼやけて見えて——)
Kohane
(……でも、もっと……!)
Kohane
(もっと——熱くするんだ!!)
Kohane
♪————————————————————————!!
An
♪————!! ————!! ————!!
Kohane & An
『♪——————————————————!!』
Taiga
……ほう
Akito
(——よし……!
いい滑り出しだ!)
いい滑り出しだ!)
Akito
(この前の勝負で、こいつらは、
『互いに進化していく』ってことを覚えた)
『互いに進化していく』ってことを覚えた)
Akito
(その感覚を掴んだあいつらなら——火をデカくできる……!)
An
(——もっと……もっといこう、こはね!)
Kohane
(うん!!)
Kohane & An
『♪——————————————————!!』
観客達
す、すげえ……!
観客達
鳥肌立ったぞ今!
なんつう歌だ……!
なんつう歌だ……!
Taiga
………………やるじゃねえか
Kohane
……はぁ、はぁ、はぁ……
An
……はぁ、はぁ……!
お疲れ、こはね!
お疲れ、こはね!
Kohane
うん、杏ちゃんも!
Kohane
——すっごくドキドキするね! 杏ちゃん!
An
——うんっ!
Kotaro
お前ら~! 最高だったぞ~!
Akito
よくやってくれたな。
流れができたぞ
流れができたぞ
Toya
——ふたりとも、客席の声が聞こえるか?
Kohane
え……
観客達
おいおい……!!
まさか初っ端からこれかよ……!!
まさか初っ端からこれかよ……!!
観客達
これよりまだ上があんのか!?
ど、どうなっちまうんだ……!?
ど、どうなっちまうんだ……!?
An
……よし!
An
——この調子で飛ばすよ、みんな!!
Kohane
……東雲くん、青柳くん!
次、お願い!
次、お願い!
Akito
——おう。
行くぞ、冬弥
行くぞ、冬弥
Akito
……ん?
Akito
——なに笑ってんだよ、お前
Toya
それは彰人もだろう。
緊張していないのか?
緊張していないのか?
Akito
んなもん、とうの昔にし終えた。
だから今はただ——
だから今はただ——
Akito
超える。それだけ考えてる
Toya
——ああ。同感だ
Toya
行こう彰人。
俺達の夢を、叶えに
俺達の夢を、叶えに
Akito & Toya
『♪——————————————————!!』
観客達
…………っ!!
An
——よし、もうひとつギアが上がった……!
Tatsuya
……っ、あいつら、
声の伸びが半端ねえぞ……!
声の伸びが半端ねえぞ……!
Kotaro
いいぞ、彰人!! 冬弥!!
Akito
(トップバッターはあいつらに譲ってやったが——)
Akito
(相棒とやりあって上に行くのは、
お前らだけの特権じゃねえぞ!)
お前らだけの特権じゃねえぞ!)
Akito
♪——————————————!!
Toya
(俺達は、互いを見ながら——
自分にないものを見ながら、駆け上がってきた)
自分にないものを見ながら、駆け上がってきた)
Toya
(ふさわしい相棒であれるように!!)
Toya
♪——————————————!!
Kohane
……っ
An
……やっぱりすごいな、ふたりの歌
An
もうこんなに胸が……熱くなってる……!
Kohane
……うん!!
An
お疲れふたりとも!
一気に盛り上がってるよ!
一気に盛り上がってるよ!
Tatsuya
んじゃ——三田!
こいつらの次……頼むぞ!
こいつらの次……頼むぞ!
Kohane
もっともっと……熱くしてください!
Kotaro
——おう!
一世一代の大勝負だ! やってやらあ!
一世一代の大勝負だ! やってやらあ!
Kotaro
……お前ら、本当にありがとな
Kohane
え?
Kotaro
お前らは、逃げちまったオレに、
もう一度夢を追うチャンスをくれた
もう一度夢を追うチャンスをくれた
Kotaro
それに応えなきゃ——男じゃねえだろ!!
Akito
——おう。
ぶちかましてこい!
ぶちかましてこい!
Kotaro
よう! お前ら、声出せるか!
お次はこの三田洸太郎だ!
お次はこの三田洸太郎だ!
Kotaro
(わいてくれるヤツもいるが……やっぱいるな。
誰だあいつとか、ちょっと冷めちまいそうなヤツ)
誰だあいつとか、ちょっと冷めちまいそうなヤツ)
Kotaro
(でも——!)
Kotaro
まさかオレがRAD WEEKENDを超えようとするなんざ、
誰も思ってなかっただろ!
誰も思ってなかっただろ!
Kotaro
よーく見とけ、お前らの度肝を抜いてやるからな!!
Kotaro
(あいつらが必死で作ったこの空気——
なんとしても、失くすわけにはいかねえ!!)
なんとしても、失くすわけにはいかねえ!!)
Kotaro
オレは、このビビッドストリートを
マイク1本で渡り歩いてきた一匹狼のラッパーよ!
お前ら沸かすなんざ屁でもねえ!
マイク1本で渡り歩いてきた一匹狼のラッパーよ!
お前ら沸かすなんざ屁でもねえ!
Kotaro
——声上げれる奴、どんだけいるんだ!?
おら、上げろ!!
おら、上げろ!!
Kotaro
♪——! ——! ——! ——!!
♪————————!!
♪————————!!
観客達
…………!
観客達
な……!! なんてフロウだよ……!!
Kotaro
♪——! ——! ——! ——!!
♪——! ——! ——! ——!!
♪——! ——! ——! ——!!
Kotaro
♪————!! ————!! ————っ!!
観客達
すげえ……! あいつ一体、何が——
観客達
……細けえことはいいだろ!
——いいぞ! 洸太郎!!
——いいぞ! 洸太郎!!
Taiga
…………
Tatsuya
いくぞお前ら!
振り落とされるなよ!!
振り落とされるなよ!!
Tatsuya
♪————————————!!
観客達
すげえ迫力だ……!
観客達
なんて声だ……! 腹まで響いてきやがる……!!
Taiga
(……まさか、こいつらまで化けるとはな)
Taiga
……同じ気持ちの仲間、か
Taiga
(だが……これじゃあまだ——)
???
……っ
Taiga
(……ん? こんな所に車椅子のヤツが……。
この人ごみじゃキツそうだな)
この人ごみじゃキツそうだな)
Taiga
おい坊主、大丈夫か。調子が悪そうだが——
???
あ……大丈夫です。
少し体が痛むだけで——
少し体が痛むだけで——
Taiga
……!
お前は……
お前は……
An
……うん!
EVERもいい調子!
EVERもいい調子!
Toya
……あとは、
俺達で押し開くのみだ
俺達で押し開くのみだ
Kohane
…………
Kohane
(……本当に、すっごく盛り上がってる)
Kohane
(けど——もっと行かなくちゃ)
Kohane
(RAD WEEKENDの先——
凪さんの夢の、その先に——!)
凪さんの夢の、その先に——!)
スタッフ
ちょっと……!
関係者以外は立ち入り禁止ですよ!
関係者以外は立ち入り禁止ですよ!
An
……?
なんだろう。あっちのほうが騒がしいけど——
なんだろう。あっちのほうが騒がしいけど——
スタッフ
だからそっちは行かないで……って、
あんた、どっかで——
あんた、どっかで——
???
……すみません。
無理を言っているのはわかっています
無理を言っているのはわかっています
???
でも——行かせてください。お願いします
Akito
……!
Toya
この声は——
Kohane
——遠野さん……!!
Akito
遠野……
Akito
——どうしてここに来た
Arata
——ごめん、みんな。
こんな時に戻ってきて
こんな時に戻ってきて
Arata
ただ、俺は…………
Arata
……これを、もらったんだ
Toya
もしかして、そのCDは……
Arata
……颯真が、作って、送ってくれたんだ
Arata
『これで超えてくれ』って
Toya
……颯真さん……
Arata
……メモに、書いてあった
Arata
『青柳くんが作った曲に、突き動かされた』
『もしお前も聴いて、心が動いたら、
最後にこれを聴いてくれ』……って
『もしお前も聴いて、心が動いたら、
最後にこれを聴いてくれ』……って
Arata
……正直、聴けなかったんだ。
あいつの夢を背負えてない俺がどの面下げて……って思ってさ
あいつの夢を背負えてない俺がどの面下げて……って思ってさ
Arata
でも……せめてこの曲は聴かなきゃいけないって、
聴いて、それで…………ようやくわかったんだ
聴いて、それで…………ようやくわかったんだ
Arata
俺は——俺は、颯真の夢を背負いたい
Arata
できるかどうかなんか関係ない。
俺がそうしたいんだ——って
俺がそうしたいんだ——って
Arata
これは俺のエゴだ。ただのひとりよがりだ
Arata
それでも俺は——背負いたい
Arata
あいつの夢を……あいつの曲を——
Arata
歌いたいんだ……!!
An
……!!
Arata
逃げて、こんな時に戻って……
馬鹿なことを言ってるのはわかってる……!!
馬鹿なことを言ってるのはわかってる……!!
Arata
でも、それでも……
歌わせてほしいんだ……!!
歌わせてほしいんだ……!!
Toya
遠野さん……
Akito
……なまってねえだろうな?
Arata
…………!!
Arata
——ああ。
この街から逃げても、“歌”からは逃げられなかったからね
この街から逃げても、“歌”からは逃げられなかったからね
An
——いってきてよ、新
An
新なら、もっと沸かせてくれるんでしょ?
Arata
……ありがとう、みんな
達也の声
——へばってねえよな! もっと声あげろ!
Akito
……もうすぐ、EVERが終わる。
用意しろよ。音源もこっちで預かる
用意しろよ。音源もこっちで預かる
Arata
うん。
ありがとう、彰人くん
ありがとう、彰人くん
Arata
それから——ありがとう、冬弥くん
Toya
え……
Arata
颯真からのメッセージに、書いてあったんだ。
『青柳くんのおかげでこの曲はできた』って
『青柳くんのおかげでこの曲はできた』って
Toya
…………いえ。
俺はただ、俺達の曲を作っただけです
俺はただ、俺達の曲を作っただけです
Toya
その曲ができたのは、颯真さんが、
遠野さんを想っていたからこそだと——そう思います
遠野さんを想っていたからこそだと——そう思います
Arata
……そっか
Arata
それじゃあ俺は、その想いを歌うよ
Arata
俺と颯真の想いを——全部
観客達
EVER、ヤバかったな……!
あんなに歌えるチーム他にいねえだろ!
あんなに歌えるチーム他にいねえだろ!
観客達
ああ! つーか熱すぎて汗がやべえ!
観客達
それより、次はとうとうVivid BAD SQUADだろ!
一体どんな歌——ん?
一体どんな歌——ん?
観客達
あれは——
Souma
……!! 新!!
観客達
と、遠野!?
観客達
新じゃん!
でも、メンバーに入ってなかったよね!?
でも、メンバーに入ってなかったよね!?
Arata
…………
Arata
(あ——)
Arata
(……やっぱり、来てたのか。
あいつ、立ってるだけでやっとなはずなのに——)
あいつ、立ってるだけでやっとなはずなのに——)
Souma
…………っ
Souma
……いくぞ、新
Souma
——一緒に、超えるぞ!!
Arata
……ああ!
Arata
♪————————————————————!!
Kohane
…………!!
Kohane
……すごい……!!
Arata
♪————————————————————!!
Souma
新! いけ——!!
Souma
…………っ
Souma
俺もいるぞ……新……!
Souma
俺の曲で、隣に…………!!
観客達
……すげえ……
なんだか、夢みてえだ……
なんだか、夢みてえだ……
観客達
ああ……
観客達
俺達、とんでもねえモン、見てるんじゃねえか……これ……!
An
……さすが新だね。
もっと沸かせてくれた
もっと沸かせてくれた
Toya
ああ、そうだな……。
だが、それは、遠野さん達が、と言うべきだろう
だが、それは、遠野さん達が、と言うべきだろう
Akito
……だな。
ったく、冷や冷やさせやがって
ったく、冷や冷やさせやがって
Akito
——ここからが正念場だな
Kohane
……うん!
An
会場はもう、RAD WEEKENDの時と同じくらい沸いてる。
肌でわかる
肌でわかる
An
でもまだ——超えられてはいない
Toya
——超えるかどうかは、
俺達にかかっているということだな
俺達にかかっているということだな
Kohane
そうだね……
Kohane
……ごめん、みんな。
私少し、お水飲んでくる
私少し、お水飲んでくる
An
——うん。
私も、出番まで集中してるよ
私も、出番まで集中してるよ
Kohane
…………っ。
…………はぁ
…………はぁ
Kohane
(——超えるんだ)
Kohane
(……絶対、超えてみせる!)
Kohane
(あの課題も、クリアして……!!)
Ken
——嬢ちゃん。
前から言っておいたとおり、『あれ』を出すのは、最後の曲だ
前から言っておいたとおり、『あれ』を出すのは、最後の曲だ
Ken
そしてその時、嬢ちゃんは——
Ken
嬢ちゃんの今の想いを、全部歌にしてぶつけろ
Ken
これが、ふたつ目の課題で……最後の課題だ
Kohane
(ぶつけるんだ……)
Kohane
(想いも——このエゴも、全部……!)
Kohane
(それができなかったら、私達は——)
Kohane
……あ……
Kohane
(手が……震えて……)
Kohane
(震えてる場合じゃない……!
行くんだ……! 行かなきゃ——!)
行くんだ……! 行かなきゃ——!)
???
『——こはね』
Kohane
……!